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講 題:「唐の外国人授官に見る国際秩序観-武職事官の授与を中心として-」(第24回学習院大学史学会大会・総会)


主講人:河野剛彦


日 時:200867日(Sat14:10~15:10


會場:<第三会場>学習院大学百周年記念会館3階第3会議室


內容簡介:


唐代に行われた外国人を対象とした官爵(官職、爵位)授与については、既に多くの研究が行われている。しかし、西嶋定生氏による「冊封体制論」に代表されるように、周辺民族の首長を対象とした王号や爵位の授与から、唐を中心とした国際関係についての考察は数多く行なわれているものの、唐から外国人に授与された官爵を、爵位・武官職・文官職・地方官・散官それぞれの視点から分析した研究は少ない。唐代の武官職の授与について総括的な研究を行なわれている劉琴麗氏も、外国人を対象とした武官職の授与については、頻繁に見られるとされているだけで、具体的な考察は行なわれていない。


本報告では、唐による外国人(化外人)を対象とした武官職(武職事官)の授与が、官職の定員を超えて行われている事例を取り上げる。定員を超えた官職授与という制度上ではありえない事例は、唐の太宗末期から高宗の初期に集中している。この時期に行なわれた定員を超えた武官職の授与は、冊封や羈縻州統治の認可を目的として行なわれている。これらは純粋な武官としての授与とは考えにくく、実質的な意味合いをもたない授与と言える。玄宗期に入ると定員を超えた武官職の授与は減少するが、これと対応するように員外官の武官職の授与が開始される。したがって、唐の領域拡大に伴って行なわれた定員を超えた武官職の授与を、玄宗期に入り員外官の対象とすることによって制度上の整合性をとろうとしたとも考えられる。唐代に行なわれた外国人を対象とした官爵授与を統計的な観点から分析し、国際秩序観について考察する。

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