会議主題:「生産と権力、職掌と身分 ―社会階層形成の歴史学研究―」(國學院大學文学部共同研究シンポジウム)
日 期:2008年2月10日(Sun)・11日(Mon)
会 場:國學院大學渋谷キャンパス(若木タワーB1F 会議室02)
会議簡介:
社会階層化がいかにして発生し、権力形成につながったのかという問題を考察するために、とくに身分制度や権力構造と結びついた生産組織や職掌集団に着目し、それらが権力の形成・維持に重要な機能を果たしていた点を、歴史学的に明らかにする。
原始・古代社会における権力の形成と維持のシステムは、レガリアとなる威信財やその生産・配分が重要な役割をはたし、また親族身分と職掌とが不可分に結びつくなど、生産・技術・職能集団と切り離せない側面を有している。このシンポジウムでは、社会の階層化、王権の発生、古代国家形成へとつながった歴史的なプロセスを、政治的な上部構造の観点からではなく、生産・職掌集団というより基礎的な社会構造の観点から考察する。
【シンポジウムでの論点】
日本の原始・古代・中世、ならびに中国・インド・ギリシャ・アンデスなどの各分野の専門研究者による研究発表および討論を行う。研究分野は個々に異なるが、とくに次のような問題を共通の論点にしたい。
① 生産・技能・職掌集団の管理が、権力の形成・維持にどのように利用されていたか。
② 特殊な技術・技能集団が、身分制度の中にどのように位置づけられていたのか。
③ 生産や職掌は、社会階層化の過程にどのように作用したのか。
議 程:
第1日 2月10日
11:30 発表者集合(控室)、昼食をとりながら打ち合わせ
12:30 開場、受付開始
13:00 開会、挨拶・趣旨説明
13:15 発表① 谷口康浩「縄文時代の祖先祭祀と社会階層化」
14:00 発表② 古谷 毅「弥生・古墳時代における手工業生産の展開と特質」
14:45 発表③ 佐藤長門「古墳時代の大王と地域首長の服属関係」
15:30 休憩
15:45 発表④ 鈴木靖民「古代日本の渡来人と技術・技能移転」
16:30 発表⑤ 吉田恵二「日本古代の手工業生産と組織」
17:15 発表⑥ 佐藤全敏「奈良・平安時代の贄とその貢納」
18:00 第1日日程終了
第2日 2月11日
8:30 開場
9:00 発表⑦ 鍛代敏雄「日本中世における商人身分の形成とその特質―物流の観点から―」
9:45 発表⑧ 吉岡康暢「中世成立期の窯業集団と地域権力」
10:30 休憩
10:45 発表⑨ 岡村秀典「中国古代の青銅器生産と組織」
11:30 発表⑩ 関 雄二「古代アンデス社会におけるエリートの誕生」
12:15 昼食・休憩
13:15 発表⑪ 古山正人「古代ギリシアのポリスと商手工業」
14:00 発表⑫ 藤井 毅「『カースト』の構造と機能―族譜・家系資料を手がかりとして―」
14:45 休憩
15:00 総合討論
16:30 閉会
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