瞬間を生きる個の謎:アフリカにおける呪術近代(the modernity of witchcraft)論再考」(一橋大学人類学合同ゼミ第45回)


発表者:近藤 英俊(関西外国語大学)
日 時:2007年1月19日(金)10:00-12:00
会 場:一橋大学国立キャンパス東本館 演習一番教室

発表要旨
 近年欧米のアフリカ研究者を中心に呪術と近代(modernity)の関係について議論が再燃している。この一連の議論では、これまでの研究のように呪術と近代を進化論的に位置づけることも、また異なった思考様式としても対比することもない。呪術は近代の一部を構成しているとするのが主たる論調である。この発表ではこうした見解を批判的に吟味するとともに新たな視座の可能性を示唆したい。
 その際発表者はアザンデの研究におけるエヴァンズ=プリチャードの論点を敷延し、呪術現象が、おそらくは生に内在する瞬間(現在)という時間の一局面と、個(個別性)という空間の一局面に密接に関係していると主張したい。「私は今この瞬間他の誰でもない自分の生を生きる意外にない」という命題は、単に哲学者に対し不可解な問題を提起するばかりか、普通の人々にとっても神秘的な謎として自覚されうる。この謎こそ、呪術現象を理解する上で極めて重要なのではないだろうか。


 

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