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東アジア古代史のロマンを追う20年の歴程
張競
前方後円墳の不思議な形はいったい何に由来するのか。この素朴な疑問から、二十年を越える知的探検の旅が始まった。学界ではすでにいくつもの仮説が立てられたが、著者は新聞記者として現場を取材しているうちに、この古代史の謎に惹(ひ)かれるようになった。学者に転身してからさらに研鑽(けんさん)を重ね、東アジアにおける神仙思想の広がりという視点から日本の古代史を読み解こうとした。本書はその二十年来の足跡と辛抱強い調査研究の結果をまとめたものだ。
中国の伝説によると、渤海(ぼっかい)には蓬莱(ほうらい)、瀛洲(えいしゅう)、方丈という「三神山」があり、いずれも壺(つぼ)の形をしている。そこには仙人たちが住んでおり、不老不死の仙薬があるという。秦の始皇帝が徐福を派遣し遠く海を渡って蓬莱山を探させようとしたのは仙薬を求めるためで、不老長寿のシンボルとしてよく用いられている鶴亀や松竹は、蓬莱山の図像表象にもとづくものだ。
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全文見:《每日新聞》今週の本棚,2008年10月5日東京版朝刊,http://mainichi.jp/enta/book/hondana/archive/news/2008/10/20081005ddm015070010000c.html 。
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