會議主題:「テーマ<鬼 oni>~東アジアにおける鬼神像の成立~」(東アジア恠異学会 特別企画)


日 時:2009913(Sun) 13:00~


會 場:関西学院大学大阪梅田キャンパス(Kwansei Gakuin University, Umeda, Osaka, Japan)


主辦者:東アジア恠異学会


議 程:


 タイムスケジュール(予定)
  13:00~   開始
   ・問題提起  久留島元
   ・発表報告
○発表1 清水真澄(同志社大学非常勤講師、仏教美術),「法隆寺金堂持国天像の牛頭人身形邪鬼について神王像との繋がりを中心に


○発表2 鷹巣純(愛知教育大学准教授、美術史),「善光寺如来絵伝に描かれた「鬼」」


内容:発表二本のあと、フロアからのコメント、それに基づくディスカッション


  14:30
    休憩
  14:50 17:30
    コメント

    討議


會議簡介及發表要旨:


○問題提起
 <><鬼神>に関する研究は、馬場あき子『鬼の研究』以来、国文学や民俗学では蓄積がありますが、当初から指摘されていた中国文化からの影響についての考察は現在も立ち遅れているように思われます。
これについて、恠異学会ではすでに第51回定例研究会で佐野誠子氏が『善家秘記』にあらわれる「裸鬼」と中国志怪小説にあらわれる「鬼」との違いについて言及し、中国の冥官像と日本の獄卒像との差違が問題となりました。
 今回は、佐野報告で明らかとなった問題意識を念頭に置きつつ、会員外からおふたりの発表者に報告をしていただくことになりました。その後、当日の参加者から幅広く意見交換をおこなう場を設けたいと考えています。


コメント参加者については資料を持ち込んでいただいてもかまいません。会員外の方でも興味関心のある方はお誘い合わせの上、是非ご参集ください。


○発表1 「法隆寺金堂持国天像の牛頭人身形邪鬼について神王像との繋がりを中心に」清水真澄(同志社大学非常勤講師、仏教美術)

【発表要旨】
法隆寺金堂四天王像は、六五〇年前後の制作とされる我が国現存最古の四天王像である。この像の足下に蹲る邪鬼の姿は、後世のものとは大きく異なり、頭部は牛あるいは猿に似た動物形、体部は膨らんだ胸に太鼓腹、五本指の手足といった人間に近い姿をしている点が特徴である。
このような邪鬼の造形に関しては、中国の画像石や仏教石窟などに見られる中国古来の鬼神像との繋がりが論じられているが、鬼神像とは異なる点もあり、未だ考察すべき問題が残されている。
今回取り上げる持国天像の牛頭人身形邪鬼は、何故頭部に牛の造形が選択されたのか、そしていわゆる獣頭人身形が何に由来するものであるのか、という二つの問題を持っている。
まず前者について、中国及び韓国における天王像の獣座から考えてゆく。また後者の問題に関しては、主に六世紀頃の中国で流行した神王像を取り上げる。
神王像は鬼神像と同じく仏法を守護する護法神と考えられ、その造形においても鬼神像との同一化・融合化が見られる興味深い例である。
この神王像の性格や造像背景を探りながら、邪鬼との繋がりを考えてみたい。


○発表2 「善光寺如来絵伝に描かれた「鬼」」鷹巣純(愛知教育大学准教授、美術史)

【発表要旨】
三国にまたがる舞台設定で仏法伝来を物語る壮大な構想に立つ善光寺縁起は、中世以来しばしば絵画化され、多くの善光寺如来絵伝が制作されてきた。
この善光寺如来絵伝では、2種類の「鬼」が活躍する。すなわち、天竺と和朝で仏法の迫害者に翻意を迫るべく疫病をひきおこす疫鬼と、善光寺を建立した本田善光の子息・善佐が臨死体験中に出会う閻魔卒である。
それらは等しく「鬼」の姿をとるが、その機能はまったく異なり、詳細に検討するなら図像にも微細な差異がみられる。
この差異は、これらの「鬼」の出自に由来するものである。今回の報告では、2種類の「鬼」の図像的典拠を求めて、仏教・道教の図像を検討する。
疫鬼については、中国における道仏混淆の宗教儀礼である水陸斎に用いられる絵画・水陸画をもちいて、図像的典拠である五蘊使者にたどりつく。
閻魔卒については、日本における十王信仰の主要テクストである『地蔵菩薩発心因縁十王経』との関係を指摘する。

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